FPからみなさんへ、タイムリーなお金の情報

【FPの茶飲み話03】住宅相談あれこれ その1 「購入か賃貸か、どっちがお得?」


阪口充弘

今回は住宅相談でよく聞かれる「購入か賃貸か」について、FPとして住宅メーカーや銀行とは違った視点から話しています。 これから住宅購入を考える方の参考になれば幸いです。

【FPの茶飲み話02】実際にライフプランを作ってみよう!


阪口充弘

【FPの茶飲み話】第2回目は「実際にライフプランを作ってみよう!」です。前回、ファイナンシャルプランナーに相談して、ライフプランを作りましょう、夢をかなえるために必要なお金について考えましょうというお話をしました。今回は実際にライフプランを作ってみたらこんな問題が見えてきた、解決方法はどんなところから考えるのかを話しています。 FPに相談するときの雰囲気を少しでも感じていただけたらと思います。

動画公開!【FPの茶飲み話01】「ファイナンシャル・プランナーって何する人?」


阪口充弘

ファイナンシャル・プランナーのおじさん二人組がゆるゆると茶飲み話をするように、お金に関するさまざまな話題をおはなしします。
第1回目は「そもそもファイナンシャル・プランナーって何する人?」と題して、FPに何を相談すれば良いのか?どんなFPを選ぶべきか?といったお話しです。
はじめてFPの相談を受ける方や、お金に関する悩み事をだれに聞いたら良いのか分からないと思われている方の参考にしていただけたら嬉しいです。

共働きというライフスタイル


岩田 よしゆき

●なぜ共働きが当たり前になったのか

平成という時代30年間で、まず女性の働き方、仕事に対する意識が大きく変わった。我々が大学生の頃は多くの女性は短大に進学しその後企業に就職し結婚して主婦になる。それがごく普通だったような気がします。

それが女性の高学歴化が進むとともに、男女雇用機会均等化が国を挙げて推し進められ、女性が働きやすい環境が整えられつつあります。女性が自分自身のキャリアについて考えるようになったということ。

ただ共働き夫婦が増えた理由の一番は、男性の収入の問題が一番だと思います。旦那ひとりの収入では家族を養えないということです。

終身雇用が崩れ去り、男性の収入が不安定になり年収が減ったのが大きな理由と私はとらえています。私はFPとして年間平均100組ほどの家庭の家計相談を受けていますが、ご相談の中で旦那の収入だけで今後老後に向かってやっていけるのか、奥さんが仕事を辞めたら家計にどんな影響が出るか家計シミュレーションをしてほしいという相談がとても多いです。奥さんたちの本音は、できるなら仕事を辞めて子育て、主婦に専念したいという声の方が多いです。旦那さんたちの本音は、できるなら妻にずっと働き続けてほしいだったりする。

下の表は※dodaエージェントサービスで集計した2019年8月までの1年間の登録された方の平均年収です。

総務省の2017年の家計調査では共働き世帯の平均実収入は年間約730万円となっています。

一馬力より二馬力。夫婦が望む一定水準の生活を保つための最善策が共働きという形になっているんだと思います。

家計相談で来られるご夫婦二人の年収を聞くと、最近では女性の方が年収が高いケースもかなり増えました。
上の表はあくまで平均年収で、業種、企業規模によって年収差はかなりあるのが現状です。

旦那さんが中小企業勤務で奥さんが大企業勤務だと旦那さんの生涯年収は奥さんの生涯年収を超えることはまずありえませんし、退職金、老後の年金も奥さんの方が高くなったりします。

これからもますます共働きは増えていくと思います。経済的によほど余裕がない限り、、、
お金に余裕が出ることで、精神的にも余裕、安心感が生まれます。奥様が収入を持たれることが旦那さんにとっては一番の保険となるのです。だけどそれにもまして最近の若いご夫婦は、生活がしんどいからというより夫婦で協力して豊かな家庭を築くんだという意識が普通になりつつあるなとも思います。

大切なのは結婚生活は、夫婦の共同作業でなりたつということ。家事、子育ての分担化。奥さんに働き続けてもらうなら、しっかりと旦那さんもフォローをすることが大切。

●未来のためにキャリアプランとライフプランを計画的に作成する

共働き世帯でたまに見受けられるのが、財布が別々、それぞれの給料の一部だけを共有しそれ以外のお金はどう使っているのかお互い知らないというパターン。これでは世帯としての正確な収入や資産がぼやけてしまい将来を見渡しにくくなってしまいます。

そしてそれぞれにキャリアプランをしっかりと考え真摯に向き合うことで、それがゆとりのあるライフプランへとつながるということ。ここでは老後までを見渡した家計の収支の推移を見て取れるキャッシュフロー表を作成することをお勧めします。どのタイミングでどれくらいのお金が必要か、例えば子供の教育費がかかる時期とか、老後にどれくらいのお金が足らなくなるかなどを見て取ることができます。

ライフプランを確立した後は、それに沿って夫婦で計画的な貯蓄と資産運用を行うということが大切になります。

老後に向けてお互いしっかりと情報共有をし、支えあいながらしっかりと老後へ向けた準備を行っていきましょう。

老後の生活収入の主軸となる年金だけを見ても、専業主婦と会社員の旦那のご夫婦の場合は平均230万円/年。奥様がずっと正社員で共働きで老後に入ったご夫婦は300万円/年を超えてきます。でもこれだけでは豊かな老後には届きません。まずここを抑えて退職金の額を確認し、個人資産形成の目標をどれくらいに設定するかを決めて実行に移していくことを考えてみてくださいね。

※クリックするとデータ作成元「転職サービスdoda」のホームページへリンクします。

【お金の算数】金利について


阪口充弘

「お金の算数」第2弾です。数字は苦手と言わずお付き合いをお願いします。今回は「金利」についてです。

利子(りし)とは、貸借した金銭に対して、ある一定利率で支払われる対価。
利息(りそく)と利子は通常同じ意味で使われるが、借りた場合に支払うものを利子、貸した場合に受け取るものを利息と使い分けることがある。

利率(りりつ)は元本に対するある一定期間(通常は1年間)の利子の割合を指す。

ウィキペディアより

ここで重要なのは金利(利率)は通常1年間の利子の割合であることです。さまざまな運用商品を比較したときに、1年間運用したら、1年間預けたら受け取れる利子の割合であって、運用期間が1年でない場合は受け取れる利子は変わってきます。いくつかの例題で考えてみましょう。

3ヶ月ものの定期預金の場合

優遇金利0.5%(3ヶ月)の定期預金に100万円預けた場合の利子を計算してみましょう。

100万円の0.5%だから、5千円・・・ではないことは、お分かりですね。

実際に計算してみると税引前は、
$100万円 \times 0.5\% \times \frac{92日}{365日} = 1,260円$
税引後は、
$1,260円 – 255円 = 1,005円$
となります。

定期預金の優遇金利の適用条件として、投資信託などの運用商品のお申込みが必要な場合があります。当たり前ですが勧められる運用商品については、しっかりとリスクリターンを理解することが必要です。また、運用商品の購入時手数料や信託報酬などのコストと、預金から実際に受け取れる利息を比較することも大切だと思います。優遇金利の利率だけでは判断しないでください。

百貨店「友の会」積み立ての場合

多くの百貨店で導入されている「友の会」の積み立てサービスをご存じの方は多いと思います。毎月一定額を積み立てると1年後の満期時にボーナスが加算された買い物カードがもらえるというものです。
例えば、1月から毎月1万円を1年間(計12万円)積み立てると、翌年の1月にはボーナスが月額と同じ1万円加算された13万円分の買い物ができるものだと、金利はいくらになるでしょうか?

元本が12万円で利子が1万円なので、
$1万円 \div 12万円 = 8.3\% $
では、ありませんよ!

金利は1年間預けた場合ですから、1月に積み立てた1万円は12か月預けていますが、12月の積み立て分は1か月しか預けていません。平均の積立期間は、
$(1 + 2 + 3 + ・・・+ 10 + 11 + 12) \div 12 = 6.5か月$
となります。金利がx%だったとして、利子が1万円なので、
$12万円 \times x\% \times \frac{6.5か月}{12か月} = 1万円$
$x\% = 1万円 \times \frac{12か月}{6.5か月} \div 12万円 = 15.38\% $

なんと15%以上の金利で、預金とは違い税金も課税されません。ただし、百貨店内や系列店でしか使えないので注意が必要です。さらには、このお金(買い物カード)は貯蓄や運用のためだとは考えにくく、出費のためのものとなってしまうので、現金で支払うときよりも高価なものや余計なものを買ってしまいがちになります。毎年お中元やお歳暮で定期的に百貨店を利用する方や、入学や卒業、記念日などライフイベントで百貨店を利用する予定のある方は上手に使うために予め積み立てておくと良いかもしれません。





ファイナンシャルプランナー宣言


阪口充弘

私はファイナンシャルプランナー(FP)です。

 今年の年末年始は、新型コロナウィルスの影響で、ステイホームを心がけ、静かに過ごしました。その後、緊急事態宣言も発令され、普段のような活動が行いにくい状況が続いています。このようなときは焦っても仕方がないので、ファイナンシャルプランナー(以下FP)について、改めて考えてみました。
 「ファイナンス(finance)」という言葉の語源はラテン語のfinis(終わり)だそうです。英語の「finish(おわる)」やフランス映画の最後に出てくる「fin」と同じ仲間です。「(支払が)完了する」「(精算が)終わる」といったところから、「ファイナンス(finance)」=「財務」といった意味になったようです。さらには、「終わり」から「これ以上ない」「最上」とイメージが拡がり、「fine(すばらしい)」という言葉も同じ語源から生まれたようです。

 今まで我々FPの仕事は、お客様のライフプラン(夢)の実現のため、ファイナンシャルプラン(お金の計画)を立てて、お客様の相談に乗ること、だと思ってきました。これは間違いではありませんが、上の語源を見つけたときに、これだけでは足りないのではないかと感じました。
 ライフプラン(夢)は一生続きます。なにかの金融商品の販売が出来ればそれで終わりではありません。FPもお客様の人生に「最後まで」寄り添う存在であり続けるべきです。
 ファイナンシャルプランを立てて、アドバイスをしただけでは、お客様の人生は変わりません。プランした内容で運用や保険加入などの実行を「最後まで」責任を持って行い、見守り続けることが必要です。
 FPにご相談に来られる方のなかには、いろいろなところで既に相談をして、結局よく分からないまま様々な金融商品をお持ちの方もいます。FPに相談したら、お客様はしっかりと理解でき、信頼していただける。そんな「最後の」「fine(すばらしい)」存在でありたいと思います。