「お金の算数」第2弾です。数字は苦手と言わずお付き合いをお願いします。今回は「金利」についてです。
利子(りし)とは、貸借した金銭に対して、ある一定利率で支払われる対価。
利息(りそく)と利子は通常同じ意味で使われるが、借りた場合に支払うものを利子、貸した場合に受け取るものを利息と使い分けることがある。利率(りりつ)は元本に対するある一定期間(通常は1年間)の利子の割合を指す。
ウィキペディアより
ここで重要なのは金利(利率)は通常1年間の利子の割合であることです。さまざまな運用商品を比較したときに、1年間運用したら、1年間預けたら受け取れる利子の割合であって、運用期間が1年でない場合は受け取れる利子は変わってきます。いくつかの例題で考えてみましょう。
3ヶ月ものの定期預金の場合
優遇金利0.5%(3ヶ月)の定期預金に100万円預けた場合の利子を計算してみましょう。
100万円の0.5%だから、5千円・・・ではないことは、お分かりですね。
実際に計算してみると税引前は、
$100万円 \times 0.5\% \times \frac{92日}{365日} = 1,260円$
税引後は、
$1,260円 – 255円 = 1,005円$
となります。
定期預金の優遇金利の適用条件として、投資信託などの運用商品のお申込みが必要な場合があります。当たり前ですが勧められる運用商品については、しっかりとリスクリターンを理解することが必要です。また、運用商品の購入時手数料や信託報酬などのコストと、預金から実際に受け取れる利息を比較することも大切だと思います。優遇金利の利率だけでは判断しないでください。
百貨店「友の会」積み立ての場合
多くの百貨店で導入されている「友の会」の積み立てサービスをご存じの方は多いと思います。毎月一定額を積み立てると1年後の満期時にボーナスが加算された買い物カードがもらえるというものです。
例えば、1月から毎月1万円を1年間(計12万円)積み立てると、翌年の1月にはボーナスが月額と同じ1万円加算された13万円分の買い物ができるものだと、金利はいくらになるでしょうか?
元本が12万円で利子が1万円なので、
$1万円 \div 12万円 = 8.3\% $
では、ありませんよ!
金利は1年間預けた場合ですから、1月に積み立てた1万円は12か月預けていますが、12月の積み立て分は1か月しか預けていません。平均の積立期間は、
$(1 + 2 + 3 + ・・・+ 10 + 11 + 12) \div 12 = 6.5か月$
となります。金利がx%だったとして、利子が1万円なので、
$12万円 \times x\% \times \frac{6.5か月}{12か月} = 1万円$
$x\% = 1万円 \times \frac{12か月}{6.5か月} \div 12万円 = 15.38\% $
なんと15%以上の金利で、預金とは違い税金も課税されません。ただし、百貨店内や系列店でしか使えないので注意が必要です。さらには、このお金(買い物カード)は貯蓄や運用のためだとは考えにくく、出費のためのものとなってしまうので、現金で支払うときよりも高価なものや余計なものを買ってしまいがちになります。毎年お中元やお歳暮で定期的に百貨店を利用する方や、入学や卒業、記念日などライフイベントで百貨店を利用する予定のある方は上手に使うために予め積み立てておくと良いかもしれません。