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「自転車保険」に入ってますか?


阪口充弘

4月から奈良県でも自転車保険の加入が義務化されました。これで、関西では全府県で自転車保険加入が義務化されたこととなります。みなさんは、「自転車保険」に入ってますか?

新型コロナウィルスの影響もあって、通勤通学に自転車を使われる方が増えています。さらに、消費税増税に伴うキャッシュレス決済のポイント還元制度が6月末で終了することから、自転車を購入する方も多かったようです。そんな中、全国で自転車保険加入の義務化への取り組みが拡がっています。

2015年10月に兵庫県から始まった自転車保険の加入義務化は、その後、大阪府、滋賀県、京都府などにも拡がり、2020年4月にはついに東京都でも加入が義務づけられました。同じく4月から奈良県で義務化されたので、関西では全府県で自転車保険加入が義務化されたこととなります。(和歌山県は努力義務)

いわゆる「自転車保険」の加入ですが、厳密には「自転車損害賠償保険等」への加入が義務化されています。つまり、自身のケガに対する補償よりも、まずは他人に対する賠償責任を果たせることが目的です。たとえ子供が加害者であっても、高額な賠償請求がされる可能性があります。
2013年7月に神戸地裁は、当時小学校5年生だった少年が乗った自転車と歩行者との衝突事故をめぐる損害賠償訴訟で、少年の母親に約9500万円という高額賠償を命じました。少年に対する監督義務を果たしていないと言う理由で、被害者が意識が戻らず寝たきりになったことで、将来の介護費用と、得ることが出来なくなった逸失利益、そして慰謝料の合計で高額な賠償金となりました。このような例は少なくありません。

このようなリスクには「個人賠償責任保険」で備えることができます。自転車の事故だけでなく、個人またはその家族が、日常生活で誤って他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりして、損害賠償金や弁護士費用などを負担した場合が対象となります。(仕事中の事故など補償対象外となることもありますので、免責など詳細はご確認ください。)個人賠償責任保険は、自転車保険で加入することもできますが、自動車保険や火災保険の特約として付けることもできます。現在ご契約中の保険に既に特約が付帯されていることもありますのでご確認ください。高額賠償となる可能性があります。保険金額も合わせてご確認ください。(保険金額を1億円以上にしても保険料はそれほど高額とはなりません)
加入される場合は、「示談代行サービス」も合わせてご検討ください。これは、事故が起こったときの示談交渉を保険会社のプロが代わりに行ってくれるサービスです。事故に慣れている人はいません。当事者同士で様々な調整や賠償金額の決定を行うことはかなりの負担です。保険会社のプロが示談代行をしてくれたら心強いでしょう。

自転車は身近な乗り物です。楽しく便利に自転車を利用するためにも、義務化されたこの機会に、自転車の保険を見直してください。もし分からないことがあれば、お気軽にお問合せください。